一般に,電子計算機の演算装置は四則演算,すなわち 加算・減算・乗算・除算を行う回路で構成されていて 命令によってそのいずれかの演算を行っている. 四則演算回路のうち加算回路が最も重要な演算回路で, 減算は減数の補数をとって加算することで行うことができ, 乗算や除算は,基本的に加算や減算の繰り返しであると 考えるてよい. 電子計算機の内部では,回路構成の簡単化のため2進数の 加算回路が使われている.
半加算器は1桁の2進数の加算を行う回路である. 次の4つの基本演算がある.
0+0=0
0+1=1
1+0=1
1+1=10
1桁の2進数の被加数をX,加数をY, その桁の和をS,次の桁の桁上げをCで表すと 基本演算は次式となる.
X+Y=CS
半加算器の記号と回路例を図1に示す.

半加算器は1桁の加算しかできないので,数桁の2進数の加算を 行うには不完全である. そこで,全加算器は下位からの桁上げCを加えて加算を行う. 図2に全加算器の記号と半加算器による基本回路を示す.

数桁の2進数の演算を行う方式は,直列加算方式と並列加算方式の 2つの方式がある. 直列演算方式は2進数の最下位桁(LSB)から, 最上位桁(MSB)に向かって1桁ずつ順に加算していく方式である. 図3に直列加算回路の構成例を示す. 直列加算回路は被加数XをXレジスタ, 加数YをYレジスタに記憶しておき,シフトパルスによってLSB から順に1桁ずつ被加数Xと加数Yを加算を実行する. 加算結果はSレジスタにLSBから順に格納される. Dラッチは全加算器からの桁上げ出力C0を次の桁へ加えるために 桁上げ出力C0の遅延を行っている.

並列加算回路は2進数の各桁の加算を同時に 行うもので,直列加算方式よりも演算速度が速いのが特長である. 図4に並列加算回路の原理と,その並列加算器の回路例を示す.

2進化10進数(BCD)は4ビットで10進数の1桁を表しているので, 2進数での加算の結果,0〜9の場合は,そのまま出力してもよいが, 10以上の場合は,桁上げおよび補正が必要となる. 図5にBCD加算回路の基本構成を示す.

2004/6/14
制作 須田隆良 E-mail knxkg921@ybb.ne.jp