ディラック方程式のディラック自身の解釈(空孔理論)によれば,電子が最低エネルギーに分布している状態(この状態を基底状態という.)が真空である.そして,真空に2つの光子(γ)が衝突するなどのように大きなエネルギーが与えられることによって電子が励起される.その励起された電子が実際に観測される電子であり,その欠損(ホール)が陽電子である(図1参照).

真空からは電子だけでなく他の荷電レプトンやクォークも同様の過程で生成される.このことから,真空とはすべての素粒子の最低エネルギー状態(基底状態)であると考えることができる.図示すると図2のようになる.ただし,便宜上,真空を表す基底状態を円形表示する.

宇宙もエネルギーが使い尽くされると,再び基底状態(真空)となる.
制作:須田隆良(2000/5/23) 修正(2000/6/20)