一般相対性理論と宇宙論


真空と物質

 ディラック方程式のディラック自身の解釈(空孔理論)によれば,電子が最低エネルギーに分布している状態(この状態を基底状態という.)が真空である.そして,真空に2つの光子(γ)が衝突するなどのように大きなエネルギーが与えられることによって電子が励起される.その励起された電子が実際に観測される電子であり,その欠損(ホール)が陽電子である(図1参照).

真空からは電子だけでなく他の荷電レプトンやクォークも同様の過程で生成される.このことから,真空とはすべての素粒子の最低エネルギー状態(基底状態)であると考えることができる.図示すると図2のようになる.ただし,便宜上,真空を表す基底状態を円形表示する.

 宇宙は物質であるから,宇宙も同様の過程で真空より生じたと考える.2つの光子(γ)の衝突によって真空に大きなエネルギーExが与えられると,宇宙が生成される.そして,例えば時間の経過にともなってこの宇宙がエネルギーEuをもつ光子(γ)を放出した場合,その光子(γ)と他の光子(γ)の衝突によって真空から電子eのような物質が生成される.この電子eは陽電子と対消滅することができる.その場合には,真空から2つの光子(γ)が放出される.これらの光子(γ)は新たな宇宙を生成する可能性がある.このとき,全体のエネルギーは保存則によって保存される.

 宇宙もエネルギーが使い尽くされると,再び基底状態(真空)となる.


一般相対性理論と宇宙論

制作:須田隆良(2000/5/23) 修正(2000/6/20)

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