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万有引力の法則の共変形式 テンソル形式

スカラー形式,ベクトル形式による万有引力の法則の共変形式を説明したので, 次はテンソル形式のよる万有引力の法則の共変形式を説明する. 表面的には複雑に見える電磁気学の法則が,ベクトル形式の2つの方程式(1),(2) ですべて記述できているのに,たった1つの万有引力の法則を共変形式で記述すると, 複雑なテンソル形式になるというのは不思議な感じがする. しかし,重力場方程式がテンソル形式で記述されているので無視するわけにはいかない.

テンソル形式となっているのは, 特殊相対性理論ではミンコフスキーの計量ηij が すべての慣性系において式(35)に示すように一定であるが, 一般相対性理論では計量(計量はテンソルである)を時空の関数として, 慣性系に対する加速度座標系を計量で評価し, 万有引力の場を等価原理により加速度座標系とみなすためである. その意味で一般相対性理論は計量理論ともよばれる. 一般相対性理論では計量が変数として扱われているので, 特殊相対性原理はあっさりと放棄されている. それに代わってアインシュタインが用意した相対性原理は一般相対性原理である.

一般相対性原理とは,物理法則は一般座標変換に対して共変形式で記述できることをいう. 一般座標変換とは,計量が gij である座標系Kの座標x を 計量がg'ij である座標系K’の座標x’に変換する座標変換をいう. そのため,共変形式の意味も変更されている. 特殊相対性理論では,共変形式というのは ローレンツ変換に対して不変な方程式の形式をいうが, 一般相対性理論では,共変形式というのは 一般座標変換に対して不変な方程式の形式をいう. 数学的には自然な拡張にも思えるが,特殊相対性原理を認める限りにおいては 認められない拡張のようにも思える.

一般相対性理論は,当然と認められている特殊相対性原理に従っていないところに 難解となる第二の原因がある.用語にも問題がありそうだ. 共変形式で記述された万有引力の法則を知りたいという課題に対して その解答である重力場方程式は共変形式の意味を変えてしまっている. 悪い言い方をすれば,難問に対して問題のすりかえが行われたと理解できる. それでも正しいのであれば学ぶべきであろう.


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