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3つの慣性系間のローレンツ変換

K’系はK系に対して速度vでx軸方向に動くものとする.


光速度を c とすると、K系における座標(ct,x,y,z)からK’系における座標(ct',x',y',z')への変換は
   (E1)

である.これはローレンツ変換と呼ばれる. ただし,t=t'=0において系K,K’の原点は一致しているとする.

K’’系はK’系に対して速度wでx軸方向に動くものとする.


K’系における座標(ct',x',y',z')からK’’系における座標(ct'',x'',y'',z'')への変換は
   (E2)

である.ただし,t'=t''=0において系K’,K’’の原点は一致しているとする.

式(E1)および(E2)から, K系における座標(ct,x,y,z)からK’’系における座標(ct'',x'',y'',z'')への変換は

   (E3)

となる.行列の計算をすると
   (E4)

となる.K’’系はK系に対して速度uでx軸方向に動くものとする.

速度uを求めよう. K系における座標(ct,x,y,z)からK’’系における座標(ct'',x'',y'',z'')への変換は,速度uを用いると
   (E5)

である.式(E4)と(E5)は等しいから,変換を与える行列の1行1列成分も等しい. したがって,
   (E6)

である.両辺を二乗して分母を払うと
   (E7)

となる.uについて解くと
   (E8)

となる.したがって,
   (E9)

を得る.これは相対論的な速度の合成法則である. なお,式(E9)は数学的には正負一対の解となるが, ここでは図に基づき正の解だけを考える.

特殊例:
1.w=-vのとき,u=0である.ローレンツ変換は

   (E10)

となる.K系とK’’系は一致するので,ローレンツ変換は恒等変換となる.

2.w=vのとき,

   (E11)

である.ローレンツ変換は
   (E12)

となる.u=2vでないことに注意しよう.

3.v=w=0.9cのとき,

   (E13)

となる. 一般に,おのおの光速度より小さい2つの速度の和は,光速度より大きくない.

応用

(追加:2003年12月20日)

今までの議論と同じように,K’系はK系に対して速度vでx軸方向に動くものとする. 次に,K(3)系はK’系に対して速度hでy軸方向に動くものとする.


K’系における座標(ct',x',y',z')からK(3)系における座標 (ct(3),x(3),y(3),z(3)) への変換は
   (E14)

である.ただし,t'=t(3)=0において系K’,K(3)の原点は一致しているとする.

式(E1)および(E14)から,K系における座標(ct,x,y,z)から K(3)系における座標 (ct(3),x(3),y(3),z(3)) への変換は

   (E15)

となる.行列の計算をすると
   (E16)

となる.逆行列を求めることによって,逆変換を求めると
   (E17)

となる. K(3)系の原点x(3)=y(3)=z(3)=0 を式(E17)に代入する.すると
   (E18)

となる.各成分に分けると
   (E19)

となる.この式(E19)の時間の変換式を用いると
   (E20)

を得る.この式(E20)はK系において,K(3)系の原点位置 の時間変化を示している. 下図のように,x軸とK,K(3)系の原点間を結ぶ直線の間の角度を θとし,K系において K(3)系の原点の速度をu'とする.

式(E20)より
   (E21)

である. 角度θは時間tによらず一定である. また,v≪cのときには
   (E22)

となる.速度u'の大きさを求めると
   (E23)

となる. vh≪c2のときには
   (E24)

となる.

(4)系がK(3)系に対して速度sでz軸方向に 動いているものとする.


(3)系における座標 (ct(3),x(3),y(3),z(3)) からK(4)系における座標 (ct(4),x(4),y(4),z(4)) への変換は
   (E25)

である. ただし,t(3)=t(4)=0において 系K(3),K(4)の原点は一致しているとする.

式(E16)および(E25)から,K系における座標(ct,x,y,z)から K(4)系における座標 (ct(4),x(4),y(4),z(4)) への変換は

   (E26)

となる.行列の計算をすると
   (E27)

となる.逆行列を求めることによって逆変換を求めると
   (E28)

となる. 式(E28)にK(4)系の原点x(4)=y(4)=z(4)=0 を代入することにより, K系においてK(4)系の原点位置の時間変化
   (E29)

を得る.K系においてK(4)系の原点の速度をu''とする. 速度u''の大きさを求めると
   (E30)

となる.


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制作:須田隆良(2002/2/24)修正(2003/12/21)

E-Mail: knxkg921@ybb.ne.jp


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